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A. H

参加目的・背景

 国連という組織・そこに関わる人々を自分の目で見てみたいとの思いと、日本社会における男女の格差や固定観念に対する関心の高まりから、本インターンへ応募しました。社会人や企業と関わる機会が増え、働く女性の地位やライフスタイルに危機感を覚えると共に、今まで浸ってきた勉学の世界とは違う、自分自身の努力だけではどうにもならない世界の存在に恐怖と虚無感を抱くようになりました。

 また、これまでの環境や友人たちとの出会いの中で、多くの社会問題の根底にはジェンダー問題が関係しているのではないかという疑問を度々感じてきました。一例を挙げると、子供の貧困は、若くして出産し、シングルマザーとなった家庭でより問題になっている印象があります。生活と子供のために必死に働くも、非正規雇用や低賃金故に生活苦を強いられてしまう。教育の不徹底や、子育てに対する伝統的意識により、女性の方に負担の皺寄せが集まりやすい社会になっているのではないか。こうした様々な問題に対する、世界各国の現状や取り組みを知り、今後の活動に対するヒントを得られたら、との思いで臨みました。

 

感想

 まず、参加している女性たちの熱意やパワーに圧倒されました。自分たちの生きる世界を変えたいという一心で立ち上がり、次々と積極的に意見表明を行う姿は、写真で見た高度経済成長期の労働争議を彷彿とさせる熱気を孕んでいるようでした。さらに、世界では10代の学生たちもジェンダー問題に関心を持ち、声を上げている、そのような教育制度がある、ということに大変驚きを感じました。

 また、こうした他の国々の現状や諸団体の活動を知ることができたのみならず、国際社会の中での日本の印象・発言力や、各国の社会状況と国際会議における振舞いの関連など、実際の参加者でなければ分からない貴重なご意見を伺う機会も頂き、期待以上の収穫を得ることが出来ました。日本の洗練された態度や真面目さを目の当たりにし、日本人であることを光栄に思うと同時に、この分野における意識や政策の遅れを痛感し、未来の日本に対する危機感が一層深まりました。

 そして何よりも、各々の局面で女性活躍の道を切り開いてこられた先輩方から沢山のお話を聞かせていただいたこと、同じような問題意識を持ち世界各国で志高く勉学に励んでいるメンバーに出会えたことに感謝しています。将来に悩む私にとって、一つ一つの出会いが、かけがえのない財産であり、今後進むべき道への大きな手掛かり・原動力となりました。

2030年の社会の理想像

 生まれた環境や性別・年齢によって人生を制限されることなく、すべての人が自由に夢を抱き、希望を感じることのできる社会が理想です。今日の日本では、女性にとって働きづらい環境がある反面、男性に過度なプレッシャーをかけてしまう風潮を感じます。さらに、現在の社会システムのまま高齢化が進むと、若者への労働の負担が増す一方、定年により仕事を失い、生きがいを見つけられずに余生を送らざるを得ない人々が増えることが容易に想像できます。「すべての人が生き生きと輝ける社会」を目標に、教育をはじめ、制度・政策や法律の面から改革を進め、人々の意識を変えていく必要があると思います。そして、私自身が、その一端を担うことができれば幸いです。           

 

 

次のインターンへのメッセージ

 情けないことに、NYへ着いた翌日からインフルエンザに罹ってしまい、沢山のイベントが開催されている中、4日間ホテルで寝込んでいました。根っからの楽天家なので、自ら望んでも用意できないような良い経験・勉強になったと言い聞かせていましたが、やはり、CSWという機会の貴重さや、周りへの心配や迷惑を鑑みると、万全な体調で参加できるに越したことはありません。

 目の前にある機会をどう有効活用するかは自分次第だということを、改めて痛感しました。体調管理を含め、事前準備や意欲によって、得られるものが大きく変わってきます。チャンスが巡ってきたときに、それを最大限に生かすことができるよう、日頃からできる準備を重ねておくと良いのかもしれません。自戒を込めて。。。

 CSW61インターンの皆さんにとって、新たな発見と感動に満ちた素敵な経験になりますよう、心より祈っています!

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