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参加イベント紹介

PDF: インターン生が参加したイベントの一覧表

記事:インターン生が参加した印象に残ったイベントの報告

Feminism - From Lobbyism to Parliamentary

Feminist Initiativeとはスウェーデン発のフェミニスト政党の母体となるロビー団体です。スウェーデン留学中に関係者にインタビューした経験があり、今回のディスカッションにも参加しました。アイルランド、フィンランド、アフリカの国等で女性政治家だった方々、女性政治家の擁護活動をする方々や各国で第一線にて活動をされている女性リーダー達が、それぞれの立場で女性が権力を持つことによる社会から受ける差別・偏見・犯罪・誹謗中傷について、更にそれらをどのように克服してきたのか、国境を超越し議論をしていました。苦しみや憤り、たとえそれらと日々戦わなければならなくとも、自分たちが今行動しなければ何も変えることができない。だから諦めず、挫けず、立ち向かい続けるのだと語り合い共有し合う、その場で形成されていたコミュニティは非常な熱量に溢れていました。
 女性の政治参加は世界共通の課題であり、立候補者や女性政治家が背負う苦しみは同じです。私が日々日本で課題ととらえて来た問題に、真っ向から向き合い、世間の逆行にもまれながらも解決のために取り組んできた先人達の、経験や想い、次世代へのメッセージがこめられた、一生忘れることのできない空間がそこには存在していました。

Ensuring Gender Equality and Sustainable Livelihood in Post-disaster Situation 〜Addressing post-earthquake cases of gender based violence〜

2015年4月に発生したネパール大地震後に、現地で起きていた悲劇を読者のあなたは想像したことがあるでしょうか。被災直後の社会の混乱下横行した、性犯罪と人身売買です。このような被害にあった女性・子供、また逃げる場所のない女性・子供を対象に、安全衛生の保たれたシェルターを提供するため活動しているWomen’s Rehabilitation Center(WOREC)主催のイベントでした。震災後協力して活動しているMADREという人権団体や、UNDP(国連開発計画)の方もプレゼンテーションをされました。

 災害発生時や緊急時に、女性の「尊厳」を守ること。「妊娠・出産」できる衛生環境を守ること。日本では当たり前の用に思われることかもしれませんが、ネパールのような国では災害発生時、政府や自治体は機能せず、市民が自ら主体性をもって女性の心身の健康を守るため、対応しなければなりません。

 「災害時にも(一般・性犯罪による)妊娠や出産は無くならないのよ」と訴えるUNDPの職員の方の言葉が印象的でした。実際にネパールでは震災後に性犯罪率が増加したそうです。私自身東日本大震災後に地元の方と関わる機会が多かったこともあり、当団体の代表の方に話しかけ、自分にできることは無いかと尋ねました。当該活動にご興味のある方は、ぜひ募金または周知活動のお手伝いを御願い致します。

Website:  www.worecnepal.org   Email:   ics@worecnepal.org

Violence against Women Combating Sexual, Domestic, Physical and Psychological Violence towards Women, especially in Crises

このイベントは女性に対する暴力を様々な面から捉えたイベントでした。性的暴力、身体的暴力、精神的暴力、家庭内暴力…様々な形態の暴力についてその特徴や現状、解決方法などを話し合うイベントでした。

 家庭内暴力は、とくに閉じられた空間で起ることなので現状の把握とくに数字として挙げられる数が実態と離れているということがわかりました。また精神的暴力は、女性のエンパワーメントにとてもマイナスの影響を与えています。女性がもっと輝く社会にするためには、女性自身がもっと自信をもって生活できる環境が必要であると感じました。そして身体的暴力は、命を落とす可能性がとても高く、話を聞くだけでつらいものでした。

 性的暴力については、アメリカでは平均11歳でポルノグラフィティを初めてみるということで、性がありふれた生活に慣れてしまい、女性を人間として対等に見ることができない人がいるということはとても悲しいことです。確かにポルノグラフィティについては表現の自由を主張される方もいると思いますが、それによって傷つく女性が生まれてはいけないと思いました。

Role of women physicians in sustainable development by addressing VAN

国際女医会主催のイベントで、女医が世界でどのように活躍しているのかをドイツ、アメリカ、イギリス、ナイジェリア、日本、オーストラリアなどから説明がありました。女性医師を取り巻く環境はとても厳しいものがあるとともに、そこで勇敢に戦っている女性医師の姿が見られてとても嬉しかったです。

パンデミックを防ぐにはどうすべきか、児童婚の問題、高齢者医療の問題、医学生教育、医師の自殺など様々な問題に対してどうアプローチして行くのかという話がありました。

医療の世界は未だに男性社会が継続しており、そこで女性医師どう活躍するかという話では、女性医師が結束して大きな力になっているという事実を知ることが出来てよかったです。国際女医会のような大きな団体があるということも知らなかったので、私も今後世界で活躍できる女性医師になりたいという思いがいっそう強くなりました。

Indigenous Women’s Movements to End Violence Against American Indian, Alaska Native, and Aboriginal Women

北米大陸の先住民の女性による先住民女性迫害の事実を訴えるパラレル・イベント。(途中参加のアラスカ先住民の方のお話しのみ参加)

先住民は一般人より暴力、殺害、貧困、差別などの被害が高まることを切々と訴えるトークイベント。カナダでは今までに1200人近い先住民女性が失踪又は殺害の被害に遭っていること、居住地域に学校が多く建設されていないことや仕事が得られないことから40%以上の先住民女性、半数以上の先住民の子供たちが貧困から抜け出せないことを知り、先住民に対する差別の根深さを初めて認知することとなりました。情けないことですが、日本で先住民の方々を意識する機会は多くなく、女性問題に先住民という観点から切り込んで考えたことがなかったため、新たな視点を得られた貴重なイベントでした。モーニング・ブリーフィングの最中からindigenous womenの権利が十分に語られていないと繰り返し主張していたしていた団体がありましたが、国際社会が重要問題として認識するためにも、更なるアピールが問題解決への大きな一歩となると感じました。
(主催:Alaska Native Women’s Resource Center他)

When Democracy Limits Women’s Rights

研究者、弁護士2人によるエジプトでの女性の人権侵害に関するパネルディスカッション。エジプトはアラブの春によって政治に新たな兆しが見られたものの、FGMsや一夫多妻制が未だに残っていることを例に挙げ、女性の人権問題に対する意識の低さを説明し、改善の必要性、民主主義の重要性を強調されていました。エジプトの民主主義は成熟しておらず、女性が自由に意見を述べることができないために男性中心で形成された「世論」がそのような文化を容認してしまっていることが大きな問題だと語られていました。このイベントを通し、エジプトが未だにそのような文化を保持することへの憤りを感じると同時に、日本でも未だ十分とは言えない女性の政治参加について、改めて問題意識を抱くことともなりました。
(主催:Center for Egyptian Women's Legal Assistance(CEWLA))

Breaking Stereotype: Young Women's Leadership in Taiwan

台湾の女子大学生5人で結成されたTWeetHer Taiwanによる、台湾女性のリーダーシップに関するパラレルイベントに参加しました。

イベントは特に動画が素晴らしかったです。この動画では、台湾で活躍するEducation, Climate Change, Social Enterprise, Culture & Art, STEM 分野の若い女性のリーダーたちにインタビューしています。インタビュイーたちは、女性のリーダー増加の障壁になる子供の保育問題、アジアをはじめとして女性は夫の家族と同居するという風習が女性にもたらす働きにくさなど、日本でも多くの女性が直面する問題について述べていました。中でも、私は動画中のあるフレーズに感動しました。それは「成長したらやりたいこと・ほしいことが自動的に見つかるわけではない。本当にやりたいことがわからないと信念と動機を得られない。」です。女性の社会進出に伴い、今の女性は配偶者の有無、子供の有無、仕事の有無で8通りの人生を選択できるようになりました。しかし台湾をはじめとして、女性の労働にはさまざまな問題が付きまとっています。私は何がほしいのか。深く考えさせられる言葉でした。

Which Policies Best Respect Sex Workers’ Rights? A Conversation with Sex Worker Rights Defenders

Sex workerとして働いてきた女性3人による、Sex workerの権利について考えるイベント。

スピーカーによると、Sex workerは16-22歳の少女が多い、暴力を受けやすい、暴行を受けても警察・近所の人はまともに取り合ってくれない、ウガンダにはLGBTのトイレが無いことを、例を交えて冷静に話してくれました。私は、「差を作らないこと」が大切だと思いました。誰かに対して「差を作る」とは、「自分と同じ人間」だと思わなくなることです。あらゆる人間が、あらゆる人間に対して敬意を持つよう努力するという至極当たり前なことの大切さに改めて気付くことができました。

その後イベントに一緒に参加したインターンメンバーの一人と、Sex workerについて意見を交わしました。自分の娘が働きたいと言ったらどうするか、など中身の濃い意見を交わし、思い出深いイベントになりました

For change: human rights monitoring and legal reform on domestic violence and batterers` intervention programs

Nogaku Ayaka

法曹の方を中心とした政策提言を行い尚且つ政策実行を支援するNGOによる、DVに関する法改革とDV加害者の扱い方に関して。アメリカや先進国の経験では、DV防止法ができてもバタラー(DV加害者)が見逃され野放しになり、DV被害が継続しました。警察官、裁判官の間に、バタラーとは自己コントロールの下手な男性でありDVは自制心の喪失による「暴力の自然爆発」だという誤解や偏見があったことが原因です。この誤解と偏見を拭い去るためにDVとは「恐怖による支配」なのだという視点が強調され、それを踏まえて、先進国の経験を参考に、バタラーを見逃さずに把握するための取り組みが紹介されました。
今回紹介されたモルドバのケースでの取り組みは大きく三つあって法整備、警察官の意識改革トレーニング、シェルター作り。それまでのステレオタイプからの脱却は非常に難しいことや、警察官や裁判官という一般的にはエリートの意識を改革する難しさも語られました。またDVにあった女性は警察には行かないが病院には行く傾向にあります。だから警察に届けられた数よりも病院で数えられた数字の方が多く、より真実に近いのです。すべてのピースをパズルのように組み合わせられる法整備が必要だと提案されていました。女性自身がどうこうというよりも、その周辺関係者にフォーカスされていた点が特徴的でした。

Breaking Persistent Challenges for Gender Equality in Media

Nogaku Ayaka

スピーカーがまずユニークでした。UNESCOの活動内容は世界遺産だけだと思っている人もいると思いますが、メディアや教育に関しても活動しています。UNESCOとUN Women以外には、韓国のテレビ局、元CNNスペインなど、実際にメディア業界の方がいらしていてかなりリアルな現状を聞けました。女性を巻き込んだメディア業界というものをトレンドとして作っていく必要があるとの意見も。
そのためにどうするのか。「count voice」というフレーズをだれかが使っていました。女性自身が声を上げ、自身の体験と提案意見を話し、それをカウントしていくい必要があるということです。ただ、私はそれだけではイベントとして不十分だと感じました。テレビ局や国を横断してそれをやるならいったい誰がどうやって声を出し、それを誰がカウントし、どのように公表していくのか、実行の方法等が非常に疑問に思いました。

New Paradigm of Gender Equality Post-2015: Girls and Boys Go Together

H.A

中国の実践大学とMHAT(Mental Health Action)の共催イベントです。インフルエンザによる4日間の欠席後、初めて参加したものであり、また、自分と同じ年頃の学生が登壇していたこともあって、非常に印象的でした。教育の重要さを軸に、経済や健康面における向上、賃金格差や女性・子供の貧困問題、自然災害後の性的暴行など、多岐に渡る具体例が展開され、説得力のある内容でした。

『知識とは唯一人から奪われることのないもの』であり、『教育は世界を変える最強の武器(byマンデラ大統領)』である。

イベントの中で引用されていたこの二つの言葉が、今も心に響いています。日本では義務教育の過程で当然に学ぶことを、生まれた環境の違いのために、知る機会もなく大人にならざるを得ない子供がたくさんいます。そして、教育の欠如のために、様々な局面で被害の皺寄せを受ける多くの女性がいます。学ぶことの大切さ、学べることの有難さを改めて実感するいい機会となりました。

Finding the 1 for 7 Billion: How the Society Can Influence the Process To Select the Next UN Secretary General

H.A

このパラレルイベントは、これまで安全保障理事会内のみで行われてきた国連事務総長選出に際し、選出過程の透明化と民意の反映を掲げ、2014年に開始されたキャンペーンが中心になっています。世界を変革するには有能なリーダーが必要だという考えのもと、人権やジェンダー平等の達成、気候変動や紛争問題の解決、SDGsの確実な実行等を目標として活動を行っているそうです。

大学のクラブのような小さな団体でさえ、長の方針が体制や結果に大きな影響を与えるのを痛感することが度々あります。国連事務総長ともなると、誰が就任するか次第で10年後の世界の在り方が180度異なる可能性も否定できません。とりわけ、ジェンダーに関する問題はNGO団体を中心とするボトムアップ形式が多い印象なので、上からの積極的な改革は新たな風をもたらすことになると思います。そしてその過程に市民社会の意見、特に、これまで政治の面で軽視されてきた女性の意見を上手く取り入れることができれば、全ての人にとって、より明るい未来になるのではないかと強く感じました。2016年4月現在、次期選挙の候補者8名中4名が女性です。初の女性事務総長誕生によって、様々な固定観念を崩し、Planet 50-50の先駆けとなることを期待しています。

Thinking beyond the Possible: Inspiring Future Female World Leaders

Murashima Yuka

世界で活躍してる女性たちが、女性たちがどうすればリーダーシップをもっととれるかについてパネルディスカッションを行ったイベントです。

『ロールモデルより、リアルモデルを』

インターネットや書籍上の理想像としての"ロールモデル(見本)"よりも、もっと身近な"リアルモデル(手本)"が必要だという話が最も心に残りました。例えば、学校の先輩や親せき、友人などが挙げられます。このような活躍する女性のロールモデルが増えることが女性の社会進出の追い風になるのではないでしょうか。

他にも、他人のスタンダードではなく、自分なりのリーダーシップをとること。女性同士で競い合うのではなく、お互いに協力して地位を上げていくことの大切さ。

また、「社会でリーダーシップをとっている人たちが次の世代にそのハウツーを伝えていくべき。」と聞いて、まさにこのインターンシップで上の世代の方の話を聞くことが一つ当てはまるのかなと感じました。

The Role of the Art Helping to End Human Trafficking

Murashima Yuka

Human Trafficking について一人の少女に焦点を当てた映画「SOLD」の公開について。被害にあった女の子やその家族を追うドキュメンタリー映画。問題に対する映像でのアプローチは誰にとっても理解しやすく、多くの人に知ってもらうためにとてもいい方法だと感じました。社会的インパクトの大きな方法のひとつと捉えられ、短縮バージョンを学校に配る活動も進めていくそうです。多くの人に見てもらい、事実を知ってもらい、「どうにかしなくては!」という気持ちになってもらいたいと感じました。

Facebookページ https://www.facebook.com/SOLDmovie

Fighting sexism and hate speech online -a Nordic panel of experts

Yamamoto Akane

オンラインにおけるセクシズム、ヘイトスピーチをどうしたら無くせるかについての北欧団体主催のイベントが、非常に充実していました。女性のために活躍する弁護士、リベンジポルノの被害にあった女性など、実際に被害にあった方と、被害者支援をしている方双方の経験と変えていくべき点を聞くことが出来ました。

「21世紀になり、オンラインにて権利がないならば、社会においても権利があるとは言えない」。ネット上の権利侵害はリベンジポルノやセクスティングなど、面と向かって顔の見えないネットにおけるコミュニケーションが普及するにつれ様々に形を変えてきました。多くの場合、被害を受けるのは女性そして加害者となるのは男性という構図ができています。オンライン環境を誰もが持つ現代、この問題は他人ごとではなく、私たちは被害と隣り合わせで生きているのです。

 ネット上に一度出回ってしまった動画や画像を完全に消去することはほぼ不可能です。それは一生残る傷になるのです。被害者が、新たなチャンスをつかもうとしたとき、ネット上から動画や画像が出てしまったら、その被害者は反論や言い訳する場も与えられず、チャンスを逃してしまうでしょう。ネット上で女性がこのような女性の被害者を見た際、彼女たちを自らとは「違う存在」として見る傾向があるといいます。つまり、理由が何であれ、その行為自体が恥ずべきことで、同じ女性ではなく汚らわしい存在としてみなし、助けの手を差し伸べないのです。女性を守るのは男性だけですか?その構図がある限り、女性のエンパワメントは進みません。女性は女性同士で助け合って、女性の地位を築いていくべきではないでしょうか。

Toward a sustainable lifestyle: women empowered and family strengthened

Yamamoto Akane

誰にでも関係する「家族」のあり方から、女性の地位につい切り込んでいく視点が非常に興味深かったです。自分の経験とも照らし合わせ考える機会となりました。

“水に落ちた一滴は小さくても、その一滴が周りに与える影響は非常に大きい。“

この例えでパネリストが強調したのは、父親または母親の不在は、子供が成長したときその子の性格形成に大きな影響を及ぼすということです。社会は人でできているため、もちろん人に影響すれば、社会にも影響を与える。家族はそれほどの強いインパクトを持っているのです。女性の地位と、家族は切っても切り離せない関係にあります。なぜなら、結婚や出産に多く時間を割くのは女性であり、家庭のためにキャリアを諦める選択をするのは大半が女性であるのです。日本でも家族のあり方を見つめ直すことで、ワークライフバランス、育児休暇、男女役割分業など様々な課題が浮かびます。私たちは人の原点でもある家族、そして家族を構成する男女の意識を少し変えていくことで、誰にとっても働きやすい社会を作ることが出来るのです。子供にとって、最初の教育者である家族は原因でもあり、解決策でもあるのです。

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